河川は元来、治水、利水の対象のみならず、農業、漁業、物質輸送等、人々の生活基盤を支える資源の一つであり、人々は河川・水辺を中心に社会生活や生産活動を営んできました。しかし、高度経済成長期の人口増加と沿川の人口集中化は、流域の経済発展と引き替えに河川の浄化能力を損なう結果を招きました。それは汚濁の進行、河川環境や歴史・文化の損失の一因となり、近年では社会問題になっています。 この様な時勢において、河川再生に関する事例、工法、経験、教訓などの貴重な情報を河川の再生に携わる多くの人々と交換し、より質の高い自然・社会環境の再生・保全の技術や仕組みを培うための開かれた組織として、「日本河川・流域再生ネットワーク(Japan River Restoration Network;JRRN)」を2006年11月9日に設立しました。 「日本河川・流域再生ネットワーク(JRRN)」は、日本における河川再生に関する情報を共有できる組織として、会員間のコミュニティーを拡げながら、各地域に相応しい河川再生の技術や仕組みづくりの発展に寄与することを目指しています。 また、国際的な河川再生に関する知識・技術情報の交換と人材交流を目的に設立された「アジア河川・流域再生ネットワーク(Asian River Restoration Network;ARRN)」の日本窓口も担います。JRRNは、このARRN設立の契機となった「第4回世界水フォーラム(2006年3月)」分科会での以下の6つの『提言』を活動の基本理念としています。 |
■ | 河川の再生は、治水や利水と同じく、人類の存続に不可欠である。 |
■ | 河川の管理は、変動と撹乱によって形成される「流域」を基本単位とする。 |
■ | アジア・モンスーン地域に相応しい河川再生の方法論を確立することが必要である。その際には、高い人口密度、頻発する水災害、豊かな水田などアジアの特徴を考慮する。 |
■ | アジアの歴史・文化的土壌として人間活動と自然との調和があり、長年の人間活動により形成された風土は、文化と同様に自然にとっても重要である。 |
■ | 河川の再生は、多岐の学問分野と組織の力で成し遂げられる。それ故、河川再生に関る優れた事例や専門情報を、アジアの河川に関わる実務者・環境科学者・生態学者・水資源管理者そして市民で共有する仕組みが不可欠である。 |
■ | 類似した自然・社会環境を保有するアジア・モンスーン地域として、河川再生の技術指針を構築することが緊急の課題である。 |
ARRN/JRRN設立までの経緯はこちら ARRN規約(日本語仮訳版)はこちら |
■ | 名称: 日本河川・流域再生ネットワーク (英語名:Japan River Restoration Network) |
■ | 定款: JRRNの定款 (PDF112KB) |
■ | 組織図 |
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